店長日記ブログ

「和醸良酒」の精神が込められた「ふたつの和」純米吟醸。

蒲郡の酒屋「まん天や」の日記ブログにお越しいただきありがとうございます。
木村です。

「蓬莱泉」のお酒には全て、王冠キャップに「和醸良酒」の文字が刻まれております。

この「和醸良酒(わじょうりょうしゅ)」という言葉は、

「和は良酒を醸す」…「良いお酒は、酒造りに携わる人全員が和の精神を大切にする事で生まれる」
という意味と、
「良酒は和を醸す」…「良いお酒は、人と人との関係を良くする」
という意味の、2通りの意味を持ちます。

お酒造りを題材にした漫画「夏子の酒」に、頻繁に出てくる言葉だそうです。

酒販店に身を置く者として、お酒との付き合いがそこそこ長い私ですが、
この言葉は常に考えさせられるテーマの一つです。

「和醸良酒」、この言葉で使われている「良酒」とは一体何か?

世間でプレミアと呼ばれているお酒の事を言うのか?
お酒を飲む量、環境、タイミング、一緒に飲む相手にも関係してくるか?
あと、料理との相性だったり飲む温度帯もあるよな、等など…。
考え始めると「良酒」を一言で定義する事は難しく、
それぞれの人や場面に合った「良酒」があるという事にいつも落ち着きます。

しかし、どんな人でも「良酒」に出会うために絶対に必要な条件は、

「健康である事」

当たり前の事ですが、これが第一だと考えております。
健康でなければ、どんなお酒を飲んでも美味くなく、逆に心身を悪くしてしまいます。
健康であって、はじめてお酒を「良いもの」として迎え入れる事が出来るものだと思います。

日頃、適度な運動や休肝日を設けるなどの体調管理であったり、
お酒を嗜む際には、決して無理をせずに楽しむ。
酒販店の身として、私自身今後も心掛けていきたいと思います。

今回のブログは、この「和醸良酒」を名前の由来にしているお酒のご紹介です。


左:「蓬莱泉 和 純米吟醸 720ml」
右:「蓬莱泉 和 純米吟醸 熟成生酒 720ml」
・アルコール度数:(どちらも)15%
・価格(税別):(どちらも)1,600円

純米吟醸「和(わ)」は、
優しい甘味とキレのある酸味がバランス良く調和しており、
昔から日本酒ファンの支持が高く、冷やでもぬる燗でも、和食を中心にどんな料理にも合います。

純米吟醸生酒「和(わ) 熟成生酒」は、
「和」を火入れせず、生のまま一年間タンクで氷温熟成させ、
果実のような甘さとまろやかさに磨きがかかっております。
冷やすと飲みやすくなり、女性の方にもお勧め。
年に3回(2月・6月・10月)しか出荷しない、特約店のみ販売できる限定商品です。

「和醸良酒」の精神が込められた「ふたつの和」です。
「良酒は和を醸す」…「良いお酒は、人と人との関係を良くする」
ご家族、お友達など、大切な人へ感謝の気持ちを込めた贈り物にも最適です。

父の日も近いですので、お父さんにプレゼントして、一緒に飲み比べて楽しむのも良いかもしれませんね。

 

日本酒を脅かすもの⑫ 酒母の造り方は二通り!生もと系と速醸系。

蒲郡の酒屋「まん天や」の日記ブログにお越しいただきありがとうございます。
木村です。

本日から6月がスタートしました。昨夜から降っていた雨も朝には上がり、
お昼には太陽が顔を出して気温も上がり、夏らしくなってきました。
長男が通う幼稚園も本日から夏服に衣替えです。
来週には早くも「プール開き」らしく、今からワクワク(ビクビク?)しているようです。

今回のブログは「日本酒を脅かすもの」第12回。前回に引き続き「酒母造り」のお話ですが、
まず前回少しだけ触れた「乳酸菌」にスポットを当ててみたいと思います。

 

1:腸内環境だけでなく、酒母の環境も整えてくれる乳酸菌。でもその後は邪魔者扱い😢

「乳酸菌」と聞くと、真っ先に思い付くのがヨーグルトに含まれている「ビフィズス菌」です。
ビフィズス菌は人や動物の腸内に生息し、糖を分解して乳酸をはじめとした物質を造り出す乳酸菌の一種で、
俗に「腸内の善玉菌」と呼ばれ、腸内環境の正常化に有効と言われております。
今やヨーグルトだけではなく、様々な食品メーカーが乳酸菌入り商品を発売していて、
ちょっとしたブームになっているようですね。

「酒母造り」の世界でも同様に、乳酸菌は酒母の中の環境を整えてくれて、「酵母」を外敵から守ってくれます。
お酒造りはタンクを密封しない状態で行うため、造っている間に様々な雑菌がタンクの中に入り込む危険があります。
お酒に入り込んだ雑菌をそのままにしておくと、せっかく「酒母造り」で培養した酵母が死滅してしまいます。
この雑菌をやっつけてくれる物質が、乳酸菌が生み出す「乳酸」なのです。

「酵母」は他の雑菌と一緒になると淘汰されてしまう弱い存在ですが、酸性の環境には強いという特徴を持っています。
その特性を活かし、「乳酸」をタンクに入れる事で、タンク内が酸性にして、「酵母」だけが増殖しやすい環境にするのです。
環境が整った後、満を持して培養する「酵母」をタンクに投入します。

お酒造りは、「雑菌との戦い」の連続です。
前工程の「麹造り」では、納豆菌が混入したら麹が駄目になってしまうお話しもありましたが、
まだ微生物や雑菌等の存在すらも確認できていなかったはるか昔から、
経験則からお酒が悪くなってしまう原因を把握して、乳酸を加える事をしていたのですから驚きですね!

でも実は、この乳酸菌自体もお酒造り全体の世界では「雑菌」なのです。
そのため、酵母にとって大切な乳酸を造り出して、タンクの中が酸性になると、
乳酸菌自らもその酸性の環境に耐え切れずに死滅してしまうという、悲しい末路をたどります…😢。
あくまで「酒母造り」の工程で必要な乳酸を得るためだけに必要とされる菌なのです。

後のお酒造りの工程で、もしこの乳酸菌がタンクに混入したら、
不快な酸味や異臭をお酒にもたらしてしまうため嫌われています。
でもお酒造りには欠かすことの出来ない乳酸を造ってくれるため、「必要悪」としてお酒造りに登場する。。

例えるなら、アンパンマンの世界の「バイキンマン」のような存在なのかもしれませんね💦。

 

2:昔ながらの「生もと系」と、新しく効率的な「速醸系」。

前項で、乳酸菌の力で得た乳酸でタンク内を酸性にする流れのお話しをさせていただきましたが、
この方法で造られた酒母を「生もと系酒母」と呼びます。

これは何百年前から行われている昔ながらの伝統的な手法で、
酒蔵内に生息する乳酸菌を取り込み、繁殖させて乳酸を得る方法です。
仕込みにほぼ1ヶ月かかるなど、大変な労力と時間を必要としますが、
乳酸菌が生み出す乳酸以外の様々な成分が香味に影響を与え、
濃厚でふくらみ、奥行きのあるお酒になるのが特徴です。

これに対し、労力と時間を減らすために近代になって考案された方法が「速醸系酒母」と呼びます。

これは酒母造りの最初の段階で、液体状の「醸造用乳酸」を加え、素早くタンク内を酸性にする方法です。
1910年に国立醸造試験所で考えられた手法で、「生もと系」に比べると約半分の日数(半月ほど)で育成が出来るため、
時間、労力など様々なコストを抑える事が出来ます。
乳酸を直接取り込むから、乳酸菌は不要。
そのため乳酸菌による香味への影響が無いため、淡麗なお酒になるのが特徴です。

下の表に「生もと系酒母」と「速醸系酒母」のそれぞれの特徴をまとめました。
出典はFBOによるテキスト「日本酒の基」からです。

 生もと系酒母(きもとけいしゅぼ) 速醸系酒母(そくじょうけいしゅぼ)
育成期間酒母の育成期間が長い
乳酸菌の育成をまたなければならない事、安全のために5℃前後の低温の中で仕込まなければならない事から長い育成期間が必要。
酒母の育成期間が短い
乳酸菌を育成する期間が必要ない事と、仕込み温度が20℃前後と高いので、蒸米の溶解と糖化が早く、育成期間が短い。
コストコストが高い
育成期間が長いため、速醸系酒母に比べて労力やエネルギーなど様々なコストがかかる。
コストが低い
生もと系酒母に比べ育成日数が短いため、労力やエネルギーなど様々なコストが抑えられる。
品質一定した品質を得るのに技術を要する
速醸系酒母に比べ、様々な微生物が関与するので、これらの影響を管理するのに、非常な手間と技術を要する。
一定した品質が得られやすい
どんな微生物が繁殖するか分からない生もと系酒母に比べ、最初から乳酸を加え、タンク内を酸性にしているので他の微生物が繁殖するリスクが低く、一定した品質が得られやすい。
味わい濃厚な酒質が得られる
乳酸菌を始めとする様々な微生物がもたらす要素が味わいに影響し、速醸系酒母に比べると濃醇な酒質になる。
淡麗な酒質が得られる
乳酸菌がもたらす副産物が一切ない事と、硝酸還元菌など他の微生物がもたらす要素が無いために生もと系酒母に比べ、淡麗な酒質を得やすい。

 

3:歴史、伝統の再評価で再び脚光を浴びる「生もと系酒母」

以上、二通りの酒母造りについて説明させていただきました。
この中でもより効率的という事で、
現在の酒造りでは「速醸系酒母」が日本酒全体の9割を占める程になり、
伝統的な「生もと系酒母」は少なくなってきましたが、
手作りにこだわり、酒蔵独自の個性を追求するために、
あえてコストのかかる「生もと系酒母」に挑戦する酒蔵も出てきました。

現在の日本酒のトレンドとして「淡麗志向」が日本全体にありますが、
「生もと系酒母」にチャレンジする蔵元が少しずつ増えてくると、
近い将来「濃醇志向」の流れも出てきて、
より日本酒の世界が多様になり面白くなってくるかもしれません。

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最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の「日本酒を脅かすもの」は今回紹介した「生もと系酒母」について、
更に詳しく掘り下げていきます。

「NAGOYA酒蔵まつり-青葉酒-」に行ってきました。

蒲郡の酒屋「まん天や」の日記ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。
木村です。

先週末の5/27(土)、名古屋の東海テレビで開催された日本酒のイベント
「NAGOYA酒蔵まつり-青葉酒-」に行ってまいりました。
愛知・岐阜・三重の総勢50の蔵元が参加し、約150種類のお酒が飲めるという一大イベント。
「まん天やで取り扱う東海地方の地酒を勉強しなければ!」という名目で、昼間から飲みに出かけた次第です(笑)。

開場の10分前に着いたら既にこの行列!屋内ですが既に熱気ムンムンの状態。

 

オリジナル三勺お猪口とお水を持ってレッツゴー!しかし…、

 

会場内は日本酒好きの方々の熱気が溢れ、早々にお酒ではなく人に酔う💦
中には行列の出来ていたお酒のブースもありました。

 

蓬莱泉の関谷醸造様のブースでは、 YAWAKUCHI(やわくち)スパークリング大吟醸が飲めました。これ暑い時にピッタリですね!

 

開場直後から行列が出来て、早々とお酒がなくなってしまった「作」のブース。。

 

ご当地の美味しい食べ物もたくさん売ってました。

 

さすがにすべてのお酒を飲む事は出来ませんでしたが、
蔵人さんとお話ししながら、まだ飲んだ事のない東海地方の地酒をたくさん味わう事が出来ました。

東海地方のお酒、特に愛知のお酒は、食文化の影響からか「濃淳旨口」のお酒が多いという先入観がありましたが、
実際に味わってみると、淡麗でキレのある魅力的なお酒も多く、考え方が改まりました。

また、蔵元それぞれが持っている、お酒造りに対するチャレンジングな目標やポリシー等も学ぶ事が出来ました。
きもと造りに挑戦する蔵、特定の酵母で個性を前面に出す蔵、夢吟香をはじめとした新しい酒造好適米を積極的に使う蔵、
複数のお米から造ったお酒をブレンドし、他にはない味わいの燗酒を提案する蔵など…。
色んな蔵人さんのお話を聞きながら、知らない事がまだまだたくさんある事を実感しました。

そして一番印象に残ったのが、会場に来た方々(蔵元さんも含め)が醸し出すエネルギー!
若い人が想像以上に多かった事にも驚きました。
「まだまだ東海の日本酒はこれからだ。待ってろ世界!」という無言のメッセージがびんびんと伝わってきました。

ここで分けてもらったエネルギーを、私自身の未来にも生かしていきたい。
日本酒と会場に来た人達に酔いしれながらそう思えた日でした。

<ご連絡>6月1日~9月30日の間、品質保持のため焼酎以外はクール便でのお届けとなります。

蒲郡の酒屋「まん天や」の日記ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。
木村です。

本日5/30の蒲郡は、昨日に引き続き最高気温が30度を越える「真夏日」になりそうです。
私の長袖の服も押し入れの中に完全にしまいました。
ニュースで言ってましたが、暑さに体が慣れていない5月が熱中症にかかりやすいみたいです。
お酒を飲む時もそうですが、水分をこまめに摂って脱水しないように、皆さんもお気をつけください。

本日のブログは、そんな暑さの中での、商品の配送に関するお知らせです。

ホームページの「特定商取引法に基づく表記」にも記載しておりますが、
まん天やでは商品をお届け先様へ配送する際、商品の品質保全のため、
6/1~9/30の間は、焼酎を除く商品(日本酒・ワイン・リキュール・甘酒)
すべてクール便でお届けさせていただきます。

火入れ(滅菌処理)を全くしていない「生酒」等は、酵母等の微生物が生きており、
高温等の環境に弱いデリケートなお酒のため、通年クール便でお届けをしておりますが、
未開封の火入れされた日本酒でも、長時間30℃を超えるような高温の状況下に晒されると、
お酒に色が付いたり、「老香(ひねか)」と呼ばれる、汗がムレたような不快な香りが発生する等、
著しくお酒の品質が損なわれてしまいます。

当店では、蔵元で造られた時の品質を、可能な限り保持したままお客様にお届けしたい考えから、
火入れされている日本酒も冷蔵庫で管理しており、
日光による劣化を防ぐために、お店の窓には紫外線カットフィルムを貼っております。
生酒や透明瓶等は着色を防ぐため、1本1本に新聞紙を巻いて保管しております。

配送に関しても同様、輸送過程での急激な温度変化によって品質劣化は避けたいと考え、
つきましては焼酎などアルコール度数が高く、劣化の危険性が少ない蒸留酒以外の商品配送に関しては、
気温が高くなる夏場(6/1~9/30)は、5℃以下で輸送するクール便でのお届けとさせていただきます。

そのため、この期間にご注文頂いた配送に関しては、送料とは別途、保冷料金が加算されます。
(荷物の大きさによる保冷加算金額は「特定商取引法に基づく表記
ゆうパックサイズ制運賃表に記載しております。)

恐れ入りますが何卒ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。

<ご連絡>オンラインショップで配送希望日のご指定が可能になりました。

いつも蒲郡の酒屋「まん天や」の日記ブログをご覧いただきありがとうございます。
木村です。

本日は「まん天やオンラインショップ」よりご連絡です。

今までご注文の際に「配送希望日」のご指定が出来ませんでしたが、
本日5/29(月)より「配送希望日」の指定が可能になりました。
ご注文日より5営業日(日曜・月曜定休を除いた日)以降から30日間の日付がご指定いただけます。
配送希望日のご指定がない場合、今まで通り最短でのお届け手配(決済から5日以内)となります。

※「発送・支払方法」選択画面の「配送希望日」が指定可能になりました。

これにより、例えば「父の日(6/18)にプレゼントとして届けて欲しい」というご指示も、
今後は簡単に出来るようになりました。

今まで配送日については、備考欄に手入力でご記入頂く等のお手数をお掛けしておりまして、
誠に申し訳ございませんでした。
お客様に喜んでいただけるサービスを目指して、より良いショップに改善してまいりますので、
何かお気づきの点などございましたら、お気軽にご指摘下さい。

今後とも「まん天やオンラインショップ」をよろしくお願い申し上げます。