<酒雑談>ワインのヴィンテージは大事だなあ…。

蒲郡の酒屋「まん天や」の日記ブログにお越しいただきありがとうございます。
木村です。

昨日2月9日は、「平昌オリンピック」の開会式が行われました。
いつもならオリンピックが始まる前は、お祭りの時の様に心が高揚してくるのですが、
今回は私にとっての今季初マラソン、2月11日の「三河湾健康マラソン」に向けての練習?に精一杯で、
少々オリンピックフィーバーに乗り遅れてしまった感じです。

今年の1月中旬頃からお酒の量を減らし、朝のジョギングを継続してきましたが、
未だに正月太りから抜け出せていないという体たらく(涙)。
40歳を過ぎて体の代謝機能が明らかに落ちてきている事を実感しております。

しかし泣いても笑っても明日2/11が本番(10km)なので、
あとは体の疲れを取りながら、平昌オリンピックをテレビで観戦したいと思います。
(日本と韓国は時差が無いため、夜更かしせずともテレビでライブ観戦できるのが良いですね!)

そんなわけで本日のブログでも「酒雑談」を気楽にダラダラと書かせていただきます。

昨日の2月7日、名古屋の栄で行われた飯田ワイン様主催の「春のワイン試飲会」に行ってきました。
飯田ワイン様の直輸入ワインは当店でも多く取り扱いさせていただいており、
今回も新たな商品の仕入れの検討と、今現在お店で取り扱っているワインの味の確認のための参加でしたが、
その時にあらためて思い知らされた事があります。

まずは当店で販売しているワインの味の確認をしていったところ、

「!? 前に飲んだ時と味が違う…。」

というものがいくつかありました。

スタッフの方に確認したところ、私がそう感じたワインは全て、
最近になって出荷のヴィンテージ(製造年)が変更になったワインでした。

例えばこのワインですが、

  
「シルヴィオ ナルディ サンタンティモ トゥラン」750ml
・生産地:イタリア・トスカーナ州
・クラス:DOCサンタンティモ
・葡萄品種:プチヴェルド40%・サンジョヴェーゼ30%・シラー20%・コロリーノ10%
・タイプ:赤・辛口
・価格:2,100円(税別)

 

去年2017年7月5日のブログで「夏の新着ワイン」として紹介した当時、
このワインのヴィンテージは2015年でしたが、このたびヴィンテージが2016年に変わりました。
2015の味わいはとても若々しい果実感が魅力でしたが、今回の試飲会で2016を試飲してみると、
2015に感じられた若々しさは鳴りをひそめ、タンニンのしっかりした重厚な味わいに変わっておりました。

この「一年の違い」による味わいの変化にビックリしたのと共に、
私も酒屋になって一年以上が経過し、折に触れてワインの飲み比べを出来る限り重ねてきたつもりでしたが、
ヴィンテージ違いのワインの飲み比べは、ヌーヴォーを除いてほとんどしてこなかった事に気付かされました。

ワインのヴィンテージは醸造年であり、ブドウの収穫年です。
醸造家はその年に収穫されたブドウの状態を把握したうえで、
そのブドウの長所を生かした味わいになるようにワイン造りを行います。

スタッフの方に教えていただいたのは、2015年のヨーロッパは天候も良く、ぶどうも良く熟したため、
先程例で挙げたワインをはじめ、とても果実感のあるワインが多かったそうです。
その反面ワインとして熟成のピークを迎えるのも早く、リリースから3~4年が飲み頃との事でした。

その次の年の2016年は、前年に比べると冷涼な気候でブドウの完熟度も低かったため、
ワイナリーによっては前年でのブドウの果実味を生かしたワイン造りから、
ブドウの持つ酸味、渋味を生かし、ゆっくりと時間をかけて熟成させる重厚な造りに変えたところもあるそうです。

まさに私が感じた「シルヴィオ ナルディ サンタンティモ トゥラン」の2つのヴィンテージの味わいの違いは、
原料のブドウの状態の違いと、醸造家がブドウの特徴を生かしてどんなワインが造れるかを考えた結果だったわけです。

大量生産されるデイリーワインのように、いつどこで買っても同じ味わいである事が求められるものは、
醸造過程で違うヴィンテージのブドウを混ぜる等、均一化の調整が可能ですが、
そのようなワインは「NV(ノンヴィンテージ)」となり、ワインのエチケットに年号は記載できません。

年号付きのワインを店頭で販売する立場として、
その年、その土地でのブドウの収穫状態の良し悪しを把握しておかねば、
お客様に正確なワインの味わいを伝えられないなと、今回強く思いました。

あらためて、ワインのヴィンテージは大事だなあ…と。

試飲会の後、飯田ワインの担当営業の平井様より「ワインのヴィンテージチャート」を紹介していただきました。
これを参考にしながら、今後は地域やブドウ品種だけではなく、
ヴィンテージの切り口からもワインの品揃えを見直していきたいと思います。