蒲郡の酒屋「まん天や」の日記ブログにお越しいただきありがとうございます。
木村です。
今回のブログは、いつもの「商品紹介」や「日本酒を脅かすもの」はお休みで、
ただの「酒雑談」です。肩の力を抜いて足を崩してお読み下さい(笑)。
1:日本クラフトビールの成長
最近、日本でもクラフトビールが人気です。
クラフト(手作り)ビールとは簡単に言うと、
地方の小規模なビール醸造会社で、熟練のビール職人が、
こだわりの手法や発酵方法を用いて造る高品質のビールの事です。
ビール業界は当初、酒税法上の取り決めで
「ビールの製造免許は年間2,000キロリットル造らないと付与しませんよ」という
厳しいハードルがあったため、新規参入が難しかったのですが、
1994年の酒税法の改正で、製造基準が2000キロリットル→60キロリットルまで
引き下げられた事をキッカケに、全国各地で小規模なビール会社が次々と登場、
いわゆる「地ビール」ブームがはじまりました。
このブーム真っ只中の頃、私は旅行好きの大学生だったのですが、
北に旅行した時、当時人気の「銀河高原ビール」を飲んだのを覚えてます。
今みたいにネット通販やスーパーで簡単に手に入らない時代だったので、
お土産に大量に買ってしまい、旅行の帰りは重い荷物に四苦八苦してました。
しかし日本は徐々にデフレ経済に突入。品質に対して価格が高い事もあり、
2000年代前半には日本の「地ビール」ブームは終息してしまいます。
その後、技術向上に励み高品質のビールを造る醸造所も出てきて、
世界的なクラフトビールのブームの後押しもあり、
2010年頃から「クラフトビール」が、新しいビールの火付け役として、
日本国内でも市場が拡大、今も成長を続けています。
私見ですが、この「クラフトビール」ブーム、「地ビール」の時と違うのは、
インターネットでの情報の伝わり方が昔よりもケタ違いに早くなった事、
ネット通販や近所のスーパーにも「クラフトビールコーナー」があるくらい
私たちの手に入りやすくなった事、
あとは少なからずデフレ傾向も当時よりマシになっている事、
こんな背景も少なからず市場拡大の後押しをしているかな、と思います。
2:4/23は「クラフトビール」の日!
ビールの本場であるドイツには「ビールの日」があって、それが4/23。
16世紀に世界で初めてビールが定義された日だそうです。
ビールの日制定以降、ドイツビール産業の隆盛は言うまでもありません。
それにあやかり日本でも、
1999年に同日の4/23が「クラフトビールの日」に制定されました。
まさに今週末ですね!
日本も徐々に定着しつつあって、都心のクラフトビール専門店等で、
この日を祝うイベントが予定されているようです。
お住いの地域で開催されるイベントをチェックしてみてはいかがでしょう?
3:トイレの排水からビール造り?
最近日本酒造りに使われるお水についてブログを書いていた時に、
衝撃的なニュースを見つけました。
アメリカはカリフォルニア州のクラフトビール醸造会社「ストーン」。
この会社は日本のクラフトビールブームの火付け役になった
有名なブリュワリーなのですが、
今年の3月半ばに、何とトイレの排水を再生処理し、
その再生水を使って醸造したビールを造ったと発表しました。
そのビールの名は「フル・サークル(full circle)」!
この名を聞くと、大学時代に聴いたエアロスミスの楽曲「フル・サークル」が
個人的にどうしても頭をよぎってしまうのですが・・・(笑)、
再生処理しているとはいえ元は排水、口にする事に抵抗を覚えてしまします。
このビール誕生のきっかけは切実なもので、
ストーン社のあるカリフォルニア州で、
2012年~16年に雨不足による大干ばつに見舞われました。
それ以降同州では水のリサイクルの取込みが活発に行われているそうで、
このフル・サークルはその技術の検証のために開発されたそうです。
このビールは実用化や、店頭に並ぶ事はまだ無いようですが、
日本のように水資源に恵まれた国でも、異常気象や災害によって、
予期せぬ水の枯渇が発生する可能性はゼロではありません。
クラフトビールだけでなく、日本酒その他の食品飲料にとっても、
自然本来のきれいな水源を守っていく、という取り組みと併せて、
水源が使えなくなった場合の緊急対応策も考えておく事が
今後必要になってくるかもしれないですね。
「酒雑談」にお付き合いいただき、有難うございました。
この流れで次回は、日本酒に使われるお水の話に戻りたいと思います。
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