蒲郡の酒屋「まん天や」の日記ブログにお越しいただきありがとうございます。
木村です。
2018年1月も中旬に突入し、お正月気分もすっかり消え失せ、
私も家族もまん天やもほぼ通常運転に戻りました。
今年一発目のブログの中で、今年のまん天やの方針として
「地酒を中心としたお酒の品揃えに注力していく」と申し上げましたが、
それを実行していくにあたって私の頭を悩ませたのが、
そもそも「地酒」って何?!という、当店における地酒の定義です。
ウィキペディアには「地酒→その地方で生産されるお酒」とありますが、
具体的にどういったお酒が、まん天やにとっての「地酒」と言えるのでしょうか?
地理、原料等など…、色々な切り口で自分なりに考えてみました。
まずは地理的な切り口ですが、まん天やが店舗を構える蒲郡市には、
かつて「養神(ようじん)」という銘柄のお酒を造っていた竹内酒造様が
蒲郡市唯一の酒蔵として三谷町にあったのですが、残念ながら10年程前に廃業してしまいました。
なので現在、「蒲郡で造られるお酒」というものは存在しません。
では愛知県で造られるお酒が、当店にとっての地酒になると考えましたが、
静岡や三重など、近隣の県からご来店されるお客様も多く、
また「中部地方に来たのがはじめて」という、
蒲郡の観光中に当店に立ち寄って下さるお客様もいらっしゃいますので、
当店では愛知県だけでなく、東海・中部地方まで裾野を広げ、お酒を紹介していきたいところです。
またお酒の原料には、そのお酒が造られる地元のお米や仕込み水など、
いわゆる「地のもの」が使われているものが良いと考えます。
お客様がお酒を飲む時、その酒蔵様のお酒造りの特徴だけでなく、
その背景にある、その土地の気候や特色も、あわせて感じていただけると思うからです。
そして一番大切な事は、私だけでなく、まん天やスタッフ全員が実際に飲んでみて、
「うまい!これはお客様におススメしたい!」と心から思ったものです。
個人的な好みに片寄らず、味わいの甘いor辛い、淡麗or濃醇などのバランスを考慮しながら、
色んな味わいが楽しめる品揃えにしていきたいと思います。
以上の事から、まん天やにとっての「地酒」とは、
「東海・中部地方で、地元の原料で造られる、お客様に【美味い!】とおススメしたいお酒」
という事になりました。
そんな方針で今後地酒の品揃えを頑張っていきますので、
今後ともまん天やをよろしくお願い致しますm(__)m!
さて早速ですが、昨日当店に入荷したばかりの新着「地酒」をご紹介させていただきます。
「白老(はくろう) 特別純米酒」 720ml
・醸造元:澤田酒造(愛知県常滑市)
・原料米:愛知県知多半島産「若水」100%使用(精米歩合:60%)
・アルコール度数:15%
・価格:1,190円(税別)
清酒「白老(はくろう)」の醸造元である澤田酒造様は、
1848年に愛知の知多半島の根元である常滑で創業した歴史ある酒蔵です。
このお酒のラベルには、空港を行き交う飛行機が描かれておりますが、
まさに中部国際セントレア空港が臨める、海沿いの温暖な場所にあります。
現在でも愛知県は日本酒生産量TOP5に入る酒処ですが、その礎を築いたのは、
澤田酒造様をはじめとする「知多酒」を醸す酒蔵といっても過言ではありません。
知多半島は、温暖な気候と良質な伏流水に恵まれているのと共に、
半島なので四方が海に近いため、海運業の発達も相まって江戸まで知多酒が広がり、
明治初期には灘とほぼ肩を並べる、全国第二の日本酒生産地となりました。
そんな「知多酒」の中でも澤田酒造様のこだわりは「昔ながらの製法の酒造り」です。
木製の「こしき」を使って蒸したお米は、品質の良い「外硬内軟」の蒸米に仕上がり、
昔ながらの「麹蓋(こうじぶた)」を使って少量ずつ行う麹造りは、
時間はかかりますが、麹菌の均等かつ深い破精込みを可能にし、
お米の旨みをお酒の中に溶け込ませる事が出来ます。
今回ご紹介の「白老(はくろう) 特別純米酒」 も、昔ながらの製法で丁寧に造られており、
減農薬栽培で作られた知多半島産「若水」と、知多半島丘陵部の伏流水(軟水)で、
味のふくらみと奥行きが感じられる、濃醇辛口の純米酒に仕上がっております。
またこのお酒は名古屋国税局酒類鑑評会で3年連続優等賞を受賞した、折り紙付きの純米酒です。
冷やでも燗でも美味しくいただけますが、この季節は燗がおススメです。
今後も少しずつですが、当店で取り扱いをはじめた地酒のご紹介をさせていただきます。
お酒の味だけではなく、お酒を造っている酒蔵や気候などの背景、ストーリーも伝えていけたらと思います。
今日は長文になってしまい申し訳ございませんでした。
今年もまん天やをよろしくお願い致します。