蒲郡の酒屋「まん天や」の日記ブログにお越しいただきありがとうございます。
木村です。
私は今から約15年ほど前、前に面倒を見てもらっていた会社の仕事の関係で、
ワインに関する基礎知識を身につけようと思い、「ワインアドバイザー」という資格を取りました。
その当時は日本ソムリエ協会から支給された教科書だけでなく、
当時流行っていたワイン漫画を読んだり、同じ会社の先輩から良いワインを教えてもらったりなど、
自分なりにワインの知識をつけながら色々なワインを飲みましたが、
当時の私にはワインの「飲み頃」という概念が全く頭に有りませんでした。
買ってきたワインは、例外無くその日のうちに開栓して飲んでましたし、
時々先輩方からいただく高額なワインも、すぐに飲みたい衝動にかられてすぐに開けてしまい、
「すっごく苦い…。高いワインは僕の口に合わなんやな…。」とガッカリしてた事もよくありました。
しかし、もし「ワインには、それぞれ適した飲み頃がある」事を理解していれば、
ワインを「すぐ飲む」ものではなく、「飲み頃が来るまで待つ」事が出来ていれば、
前述のような失敗を繰り返す事も無く、もっとワインの奥深さを楽しむ事が出来ていたでしょう。
(時間的にも、金銭的にもゆとりがあったら、の話ですが…)
それから15年後の現在(私も40になりました)、今は売るほど周りにはワインが溢れています。
当店「まん天や」には現在、「長期熟成タイプ」のヴィンテージワイン(年代物)は置いておりません。
飲み頃としては、製造から3年以内には飲みたい「早飲みタイプ」と、
製造から5~6年で飲み頃を迎える「中期熟成タイプ」をメインに、価格も1万円以内のもので品揃えをしております。
このラインナップの中でも、製造からしばらく経って、飲み頃を迎えているワインもあるに違いない!と思い、
私が実際に当店のワインを試飲して、「今が飲み頃!」と思ったワインを紹介していきたいと思います。
「シャトー カプベルン ガスクトン 2011」750ml
・生産地:フランス・ボルドー・オーメドック
・クラス:AOCサン・エステフ / ブルジョワ級
・葡萄品種:カベルネ・ソーヴィニョン76%・メルロ―24%
・タイプ:赤・辛口、繊細な香りながら芯の強いタンニンと酸味。
・価格:4,480円(税別)
ボルドー地区の北部に当たるサン・エステフの赤ワインです。
このワインをはじめて抜栓して飲んだ時は、
冷やし過ぎたのか渋味と酸味が際立ち過ぎて「まだ飲み頃じゃない」と思ったのですが、
その二日後に冷蔵庫から常温(16℃くらい)に戻して飲んでみると、
ブラックチェリーのような果実味と、樽熟のニュアンスが加わってきて、
バランスの取れた、非常に繊細かつ複雑な味わいになりました。
重厚なタンニンを持つ赤ワインがお好きな方にはぴったりの飲み頃ワインです!
あと3年置いておくと、渋味がまろやかになりまた違った味わいが楽しめそうです。
当店では「秋にじっくり楽しむ本格赤ワイン」をピックアップしておりますが、
まさにこのワインは秋の夜長にビーフシチューを食べながらじっくりと味わっていただきたい一本です。
今後も当ブログにて、この秋に味わっていただきたい飲み頃ワインを紹介させていただきます。