<酒雑談>赤霧島が2018年秋から通年販売になる事を受けて。

いつも蒲郡の酒屋「まん天や」の日記ブログにお越しいただきありがとうございます。
木村です。

今年2018年の秋は、ニュースでも「値上げの秋」と言われていますが、
ここ数カ月でサバ缶やタバコなど、色々な食品や嗜好品が値上げになりました。

異常気象によって原材料の高騰、人件費や輸送コストの増大、増税など、
ニュースによると値上げの理由はそれぞれ違いますが…、
平たく言うと、以前よりも手間やお金がかかるようになって
今までの価格では吸収しきれなくなったという、致し方ないものでした。

お酒の業界も例外ではなく、今年に入ってから当店で取り扱いのお酒でも、
コストアップが原因でメーカーが値上げを発表した商品が多くありました。

しかしお酒の価格はメーカー主導で行われない「値上がり」もよく起きます。
いわゆる「プレミア化」という現象です。

 

…「プレミア化」と言えば、最近では国産ウィスキーの品薄による価格高騰がありました。
NHK連続朝ドラの「マッサン」ブームがきっかけで人気に火が付いて需要過多となり、
以前は定価で購入できた国産ウィスキーがもの凄い値上がりした事は記憶に新しいですが…、
その逆で焼酎の業界では、一旦「プレミア化」したものが「定番」に戻るものもありました。

先日、芋焼酎「霧島シリーズ」で有名な宮崎の霧島酒造様が、
この秋(2018年)から「赤霧島」を通年販売する事を発表しました。(詳細は下の記事をご覧ください)

~霧島酒造様ホームページ2018年9月19日発信記事より抜粋~
白霧島、黒霧島、赤霧島 “三本の矢”体制へ。「赤霧島」パック製品(1800ml)新発売!
2018年10月11日(木)全国発売開始。

芋焼酎「赤霧島」は、紫芋「ムラサキマサリ」を原料に使用した本格芋焼酎。
当店でも販売しております。
紫芋系焼酎ブームに火をつけた焼酎として有名ですが、
2003年の発売から今年で15周年を迎えました。

原料の紫芋「ムラサキマサリ」の収穫量が限られていたため、
発売当初から数量限定商品として、毎年春と秋の年2回のみの出荷となってました。
そのためなかなか世に出回らない希少価値の高い芋焼酎として人気を博し、
市場では希望小売価格よりも高い価格で取り引きされる「プレミア化」がしばらく続きました。

しかし最近では、どのお酒売り場でも赤霧島は良く見かけるようになり、
居酒屋ではボトルキープの定番品となってきており、適正価格で販売されるようになりました。
こうして赤霧島は万人に親しまれる「定番酒」としてのイメージが強くなり、
「プレミア化」した過去は影を潜めました。

そしてこの秋から生産体制が整ったという事で、通年販売化とともにパック製品も新発売されます。
これで赤霧島は、名実ともに「定番酒」としての地位を確立する事になります。

 

…この記事を読んで、まずはじめに私の頭を過ったのは
「このままでは当店での赤霧島の売上げが減ってしまう」という危機感でした。

赤霧島は今年の春まで、毎年3月と10月の年2回のみのメーカー出荷だったため、
発売の時には「ついに赤キリが入荷しました!」と、どこの売り場でも大々的に売り出しされます。

当店でも赤キリが入荷したら売り出しを掛けるのですが、しばらくはあまり売れませんでした。
うちで赤霧島が売れ始めるのは、発売されてから4~5カ月経過したあたり…。
すなわち市場に流通している赤霧島の全体の在庫が少なくなってきてからでした。

赤霧島が発売されると、まずは焼酎専門店や特売を行う大手スーパーでお客様は買われ、
そこで在庫が無くなった後にお客様は当店まで買いに来てくれる…、
例年このような図式が成り立っていて、当店もこの図式で良しとしていたのですが、
今後赤霧島が通年販売になると、この図式は崩れる事になり、
当店で赤霧島をお買い求めされるお客様が減ってしまうのでは…、そう思いました。

もちろん品質が良くて美味しい赤霧島がお客様にとって手に入りやすくなる事は良い事なのですが、
赤霧島が一時は「プレミア化」し、「年2回発売」だった事で、当店が得られていた恩恵、
すなわち毎年一定量の売上げを確保する事が出来ていたという恩恵を意識しました。

ここでしか手に入らない商品、サービスのような当店だけの「プレミア」を作っていく事も大事ですが、
いつでもどこでも手に入れる事が出来る定番のお酒を、いかに付加価値をつけて売っていくか、
この課題も並行して取り組んでいかなければならないなと、今回の赤霧島の件で強く感じました。